PaSHMiNa(パシュミナ)- ヒノデボウエキ

パシュミナについて

パシュミナとは

 パシュミナは、インド、チベット、パキスタンなどのヒマラヤの高標高地で飼育されるカシミヤ山羊の内毛のみを使用した、織物の呼称です。最も軽く、最も柔らかく、最も暖かい、毛織物の最高峰に位置づけられています。
 カシミール・ショールは、トルコやペルシャ織物の影響を受けながら発達し、その起源は15~16世紀にまで辿ることができます。草花、生命の樹、ペイズリーなどの美しい植物デザインと緻密な刺繍技法が名声を博し、ヨーロッパに盛んに輸出されます。ナポレオン・ボナパルトも妻にパシュミナショール(カニ)を贈ったと言われています。
 かつてパシュミナの最高級品は、現在は絶滅危惧種となってしまった野生山羊"チル"(チベットアンテロープ)の毛を使った"シャトゥーシュ"と呼ばれるものでした。この毛繊維の利用は現在禁止されていますが、遊牧民たちの飼育するカシミヤ山羊の毛が、この伝統的繊維に最も近いものとして評価されています。




パシュミナができるまで

インド・ラダック地方、高標高地(標高4500m以上)の厳しい冬を乗り越えたカシミール山羊の、外毛の内側に生える短く細い毛は、6月頃に遊牧民によって梳くように刈られます。

高級パシュミナ繊維は、1頭から約200gしか取れません。1本の細さは16μ以下、毛髪の約6分の1です。これが、あの軽さと風合いを生み出します。

カシミール地方では、家族で分業するところも多く、パシュミナの原毛は、主に女性らによって洗浄され、伸ばされ、紡がれます。

パシュミナの手織り工房では、今でもこの伝統的な糸車を使用しています。

紡がれたパシュミナの糸。

細いパシュミナ糸は強い力のかかる機械で織ることは難しく、手織用織機が用いられます。

刺繍は男性職人によって施されます。特に、カシミールの長い冬が、丹念な刺繍を可能にしたと言えるかもしれません。

製品の隅には、マスターのサインやシリアル番号が、刺繍糸で縫いこまれています。

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